竹里館雑記
心に移りゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつけていくものと思し召しください。
Archives ( 2005-10 )
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7時台にNHKでやっている「クローズアップ現代」という番組を観ました。昨今色々と問題のあるNHKですが、この番組は30分ほどの時間で良質のドキュメンタリーを伝えているのでたまに観ます。 今日は中国の貧困農村でのエイズについてのレポートでした。報道によれば、経済的苦境から貧困層が売血をしてお金を稼ぎ、それを地方行政当局も容認・推進してきた。ところがその際の杜撰な衛生管理のためエイズが蔓延し、その後の対策も後手後手に回っているとのことでした。 印象的だったのは、エイズ対策に携わる行政当局とボランティア・NGOの軋轢と対立でした。行政当局としてはかつての杜撰な衛生管理が指摘されるのを恐れ、出来るだけ身内で処理したいようで、NGOなどの介入を拒否あるいは妨害までしているとの解説もありました。 ここから見えてくるのは行政というものの保守性と閉鎖性でしょう。特に中国の行政は「法治より人治」といわれ、法律に従った行政ではなく担当者の裁量による行政というのが常識です。そこに閉鎖性と保守性が加味されれば、問題が発生したときにこのような対応になるのは当然でしょう。 ここにこそ行政の監視という視点が必要な理由があると思います。私自身が行政の監視という仕事に来年から携わるので、今日はちょっと考えさせられました。 | |
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